エコプロ2017で「よしもとSDGs花月 in エコプロ2017」を実施
2017年12月9日(土)、有明の東京ビックサイトで開催された一般社団法人産業環境管理協会と日本経済新聞社が、主催する環境・エネルギーの総合展示会「エコプロ2017」内の特設ステージで「よしもとSDGs花月 in エコプロ2017」が行われました。
こちらのステージイベントは、笑顔あふれる明るい未来を迎えられるよう国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)について、少しでも身近に感じられるよう、よしもと芸人たちと一緒に楽しく学び、考えるステージとなりました。
2017.12.09
この日のイベントには大勢のお客さまからの事前申し込みがあり、会場は立ち見の出る満員となりました。
司会を務めたタケトは「今日は、よしもとSDGs花月と題して、漫才、落語、コントを披露していきますんで。この時間、楽しんで学んで帰ってくださいね」とあいさつ。続けて「ライブというのは、お客さまと一緒に楽しむものですから。皆さんと一緒に拍手の練習をしましょう」とお客さまに呼びかけると、会場からは大きな拍手が。さらに「芸人というのは現金なもので、入った時にお客さまの歓声がある方がノリが変わってきます」と促すと、会場は歓声と拍手。盛り上がる準備は万全です。
この日のトップバッターとして登場したのはミキ。彼らがネタに含めた目標は「質の高い教育をみんなに」「貧困をなくそう」です。まずは昴生が「芸人さんというのは賢い人が多いですから、だから今日は賢く見られたいなと思うんですよ」と語ると、「大丈夫ですよ。僕らは”質の高い教育”を受けていますから」と亜生がSDGsの目標を踏まえて返答。「そうですか、じゃディベートをしよう」ということで、早速ネタのスタートです。ハマっているものはなんですか、という質問に亜生は「料理」と返答。その理由として、「貧困をなくしたいから」と語る亜生。昴生は「料理でなくせるの?」と疑いの目を向けますが、亜生は「大丈夫、たくさん作れば」と意に介してないようです。そんな流れから「カレーは一晩寝かせたものが食べたい」という昴生に対して、「鍋か布団か、どっちで寝かせるの?」とボケ始める亜生。それに対して「鍋や! カレーは鍋に決まってるやろ!」とたたみかける昴生の姿に会場は大いに盛り上がりました。
続けて登場したのは銀シャリ。彼らがネタに含めた目標は「住み続けられるまちづくりを」です。子どもの頃はいろいろな遊びをしていました、という話から、「これだけいろいろ遊べられたのは環境が良かったからですよ。”住み続けられるまちづくり”というのは大事だと思いますね」とコメント。そこから「やっぱり誰もが気軽に遊びに行ける公園を作りたいんですよ。最高の公園を作りたいですね。いろいろと考えていますよ。将来作りたいですからね」とぶちまけた鰻。そこで鰻が理想に思う公園とは何なのか、橋本から質問をしていきます。まず広さについて質問された鰻は「レモン2万個くらいかな」とボケてみせ、橋本から「それビタミンCの例え方でしょ」とツッコまれます。そして「いろんな人に来てもらいたい。品のあるおばちゃんを連れた犬とか」という鰻に、「逆やろ。すごいな主従関係が」と橋本。その後も動物の遊具の話や、公園に来る人について語る鰻ですが、理想の公園からはどんどん脱線していき、その都度、会場からは笑いがわき起こりました。
そして3組目は2丁拳銃。「どうも、ビートルズです!」とボケてみせた小堀が、「17個あるSDGsですが、僕は18個目の目標を考えたんで、そのメッセージを熱く伝えたいと思います。聞いてもらえますか?」と語るやハーモニカを披露。いつまでも18個目の目標を言わずにハーモニカをやめない小堀の姿に会場はクスクス笑い。そして散々じらしたあげくに「すべての人に健康と福祉を」と返答。「もうあるやないか!」とツッコむ川谷に会場は大笑い。そんな流れで小堀がしみじみと「僕たちもいい年になってきたから。健康に気を付けてがんばらないと。人間ドックにいかないと」と語ると、医者と患者という設定で話を進めることに。検尿、採血、胃カメラなどの検査が進められますが、どうにもちぐはぐな様子の両者に、会場は大いに盛り上がりました。
漫才の後はステージに高座をセットして、落語のコーナーです。桂三四郎が選んだテーマは「質の高い教育をみんなに」です。高座に座った三四郎は「芸人をやって13年なんですが、落語家になったのもまわりの影響はあったと思うんです。偏差値が低い代わりに学費が高い学校に行っていたものですから。そういう学校ですから“質の高い教育”は受けられない気がしますね。生徒もめちゃくちゃいい加減だし、先生もめちゃめちゃいい加減でしたから」と述懐。そんな先生が「0点はとらないように。それからカンニングはばれるな。見つけたら処分しないといけないからな」という言葉を発したことが忘れられないと語る三四郎は、「やはり教育は大事です」としみじみ付け加えます。そんな三四郎が考えてきた落語は、夏休み最後の日、宿題をやっているか心配するお父さんと、息子とのユーモラスな会話が展開されるもの。噺(はなし)に耳を傾けていたお客さんの笑顔も自然とほころびました。
そして3組の漫才と落語が終わり、トークタイムに移行。先ほどの漫才を振り返り、ミキ昴生は「僕らは”質の高い教育”を受けているんで、ネタは作りやすかったです」と笑顔。一方の銀シャリ鰻は「僕らは”住みよいまちづくり”です。僕の出身地はガラの悪いところなんです。そういうのがこのテーマを聞いたときに、作りやすいなと思いましたね」と続けた。さらにSDGs18個目の目標を発表するためにハーモニカを吹くというネタを披露した2丁拳銃には会場から拍手が。しかし小堀は「恥ずかしいわ。笑ってもらおうと思ってやってるのに」と照れくさそうな様子をみせますが、司会のタケトは「笑わせようとしているのに、ハーモニカがうまいということで拍手になった。これってめちゃくちゃいいイベントだと思います。これからも笑いとともに広めていきたいんで、よろしくお願いします」としみじみ付け加えた。
そして最後は、次長課長 河本、くまだまさし、椿鬼奴、レギュラー 松本、NON STYLE 井上、もう中学生、ニューヨークらによる「コント」です。タイトルは「海よ、俺の海よ」。まずは漁師の先輩である井上が、「今日は大漁なんでガンガン捕りましょう」と鼻息が荒い漁師の後輩・ニューヨーク 嶋佐に「あまり魚を捕りすぎると海の生態系がおかしくなってしまうぞ」とレクチャーする場面から始まります。そして、SDGsの目標のひとつである「海の豊かさを守ろう」と力説する井上は、客席に向かって「今がシャッターチャンスですよ」と写真撮影を促すも、「シャッター音はひとつしかなかった」と悲しそうな顔をし、会場を盛り上げた。
そしてその後は、おなかをすかせた貧困親子を演じた次長課長 河本ともう中学生が登場。「”飢餓をゼロに”って、ここに飢餓に苦しむ親子がおるやないか」とボヤく河本は、「格差社会をなくすためにSDGsが掲げた目標があるんと違うんか? ”貧困をなくそう”ってここにおるって。この怒りを誰にぶつけたらいいんですか?」と嘆くも、もう中学生から「怒れば怒るほど、おなかがすくよ」と諭され、「そうだな…」としみじみ。
そしてひょんなことからそこにやってきた井上から「良かったら漁師をやってみないか」と提案される河本。「やる気がある人を働かせるというのもわれわれの役割じゃないか」と語る井上。そこで飛び出したのが「働きがいも経済成長も」という言葉。そこで世界も豊かにしていこう、と井上は高らかにうたいあげます。そしてその後は、このきれいな海をリゾート地に変えようとするニューヨーク屋敷や、海からやってきたくまだまさし、椿鬼奴、レギュラー 松本らも参加し、SDGsの目標を踏まえたコントを披露。会場のお客さまも、笑いながら楽しめる内容となりました。
「漫才」「落語」「コント」を通じて、SDGsをたのしく学ぶ機会となったこの日。最後は、よしもと芸人たちが集まり歌っている「SDGsのうた」を参加者全員で大合唱。盛況のうちに、この日のステージイベントは幕を下ろしました。
なお、「エコプロ2017」では、会場内の12カ所に「SDGsスタンプラリー」をスタンプ台を設置。このスタンプラリーを通じて楽しくSDGsを学ぶ機会となり、スタンプ台のまわりには楽しそうにスタンプを押す子どもたちの姿がそこかしこで見られました。