日頃のちょっとした心がけが「SDGs」」につながると気付かされるディスカッション
オープニングでは、2021年の「SDGs-1グランプリ」で優勝した祇園が「伝説の回、見てない!?」と得意げにアピール! 根本さんとともに「SDGs-1グランプリ」の軌跡を振り返ります。「SDGs-1グランプリ」が始まったのは2017年のこと。まだSDGsはほとんど知られておらず、「笑いながらSDGsのことを知ってもらいたい、というのが始まりだったんですよね」と根本さん。お笑いを通じてSDGsの啓発活動を行っているのは「世界でも日本だけじゃないでしょうか」とも。
「国連ってナニ?SDGs ってナニ?教えて根本さん!」のコーナーでは、まず世間の人が抱く国連のイメージをVTRで紹介。「お堅いイメージ」「自分とは程遠い存在」など、さまざまな印象が飛び出します。加えて芸人たちからも「どこが加盟国かわからない」「週に何回、集まってるの?」など、続々と疑問や質問が。これを受けて根本さんはこう説明します。「国連は、私たちの生活そのものに影響しているんです」。スライドを駆使して、国連の役割や国々への強制力、人道支援などについて発信します。それを聞いた河本は、「身近なところに、国連ってあるんですね」と興味津々。
続いてSDGsについてもわかりやすく学ぶため、「普段の生活の中で行っているSDGsなこと」をディスカッション。櫻井は「基本的にモノが少ない生活をしてるんですけど、そういう暮らしはSDGsですか?」、ますみは「37年間、一度もお食事を残したことがない」、秋山からは「山名くんの愛犬が保護犬なんですが、それもSDGsになるんですか?」との質問も。根本さんによると、そのどれもがSDGsの17のゴールのいずれかに当てはまるとわかり、SDGsが日々の暮らしにとても密着していることに気付かされるひとときになりました。
学生たちのSDGsに対する意識の高さに「脳が活性化されました!」
「2030年の未来を語り合おう!!」では、SDGsの達成目標である2030年に向けてどんな取り組みを行っているかをディスカッションするために、若者たち4チームがステージに。近畿大学の「循環型社会へのアプローチプロジェクト」、近畿大学の「ラヴノプラヴィエ」、そして大阪農業園芸・食テクノロジー専門学校、大阪 ECO 動物海洋専門学校の学生たちが登壇しました。
ジェンダーの観点から、一人ひとり違う「自分らしさ」を包み込む社会を目指す「ラヴノプラヴィエ」の活動に対して、ますみは、「芸人の世界に当てはめると、昔は(お笑い業界は)ほとんど男性芸人で、女性芸人は着替えがしにくかったり、女性というだけでイジられたりする時代もあったんです。でも最近は、性的なことでイジられることが極端に少なくなったし、女性の楽屋も設けられたり、不満なく生きやすい世界になったかなと感じます」と語ります。また、「循環型社会へのアプローチプロジェクト」の、地域のゴミ拾い活動について触発された山名は「夜の散歩に行くと、公園にゴミが捨ててある。どうすれば意識が高まっていくんかな」という率直な疑問をぶつけると、学生たちから「一人ひとりが環境に対する当事者意識を持つことが大事」との見解が。
地球環境問題の中でもゴミ問題は深刻で、河本も「僕らに何ができるのか」と一緒に考えていきました。これらのディスカッションを見守っていた根本さんは、「山に木を植えると、回り回って海の豊かさにつながる。SDGsは、異なる分野をまとめて繋げて考えるきっかけでもあるんです」とレクチャーしました。
また、大学で農学部だった竹内は、「学生の頃に農家さんと喋る機会があり、若い子が入ってこないと話していた」という問題提起を。若者が農業に興味を持つためにはどうすればいいかをみんなでディスカッションしていきます。その中で、河本が手掛ける「準組」を紹介。田植えから稲刈りまで行う「準組」の米をブランディングし、さまざまな方面に展開していることを紹介すると、「いいですね!」と根本さんも太鼓判。
ディスカッションが盛り上がったところで、2030年に未来の提言を全員で考える時間に。根本さんは「誰一人取り残さないというSDGsの大原則。その原則につながる理念が、皆さんにあるなと感じました。今日は農業、食の話が出てきてよかったと思います」とうれしそうに語り、「脳が活性化されました。笑いながらSDGsの話ができて本当によかったです」と手応えを感じた様子でした。
学生たちの熱意に心を打たれた河本が驚きの提案を!?
シンポジウム終了後、根本さんと河本、祇園、天才ピアニストが囲み会見に応じました。
根本さんは、「こんな豪華なメンバー、そして若い方々とお話させていただけたことをとても嬉しく思います」としながらも、「実を言うと、国連には大きな悩みがありまして…国連は日本では人気がないんです」とも。「調査結果を見ても、好意を寄せてくれている人が少ないです。そんな中で今一度、どういう動きをしている組織なのかをこういう場で話せたことをありがたく思いました」と感謝の言葉を。
河本は、「学生の人たちとこういう話ができたのは非常に重要なこと」と説きます。「日本は人が少なくなっていくから、若い子たちを大切にして支えてくれる国になってほしいなと思います。ノウハウはあるので、あとは教えられる人がいれば踏ん張れるんじゃないかと。今日はこの学生の皆さんが宝だと思いました。学生の皆さんもSNS等で広げていただけたらいいなと思います」
木﨑は、日頃から仕事で小学校などを訪問することが多いと話し「小学生の頃からSDGsを学んでる子が多くて、今日の学生さんたちも見て、実は未来は明るいんじゃないかと感じて、頼もしく感じました」と期待を寄せました。櫻井はこのシンポジウムをきっかけに「国連で漫才するという目標ができました!」と高らかに宣言。
竹内はシンポジウムをこう振り返ります。「国連のことは、ほんまにフワッとした認識しかないわりには、大人になりすぎて聞けないことを、イチから教えていただいてすごくうれしかったです」。さらにSDGsも心に響いた様子で「学生さんたちが、いろんな角度から自信を持ってお話されているのを聞けて、すごいなと思いました」と目を輝かせました。ますみもこう話します。「SDGsは『これをがんばらないとあかん』と無理するんじゃなく、普段の生活でできることがSDGsに関わってくるというのがわかったし、少しの思いやりや気付きで達成に向かっていけるんだなと思いました」と気付きがあったようでした。
大阪農業園芸・食テクノロジー専門学校の松井さんは、「このイベントに参加することになり、SDGsについて調べて新たな知識が増えて、ほかの学生さんのいろんな取り組みも聞くことができて、参加してよかった」、大阪 ECO 動物海洋専門学校の江原さんは「こんな大きな舞台でディスカッションするのは初めてでソワソワしていましたが、皆さん自分の信じることを貫き通している方ばかり。またこんな機会があれば参加したいです」と刺激を受けたようです。近畿大学の「循環型社会へのアプローチプロジェクト」の黒島さんは「SDGsのプロフェッショナルの方々の行動や考え方に触れられてとてもいい機会になりました」と感慨深げ。近畿大学「ラヴノプラヴィエ」の嶋原さんは、「自分たちが伝えたくても伝えられないことを大々的に伝えられた機会をいただけたことはとてもうれしく思います」と語りました。
また、今回のシンポジウムで学生たちの行動力や真剣さに心を打たれた河本が、「大学生がこんなに熱意があるので『SDGs-1グランプリ』の大学生大会を開催します!」と宣言する一幕も! この場に参加したそれぞれが、大きな刺激を受けたシンポジウムとなりました。